rio0214

高校1年生

色なき風

秋の風が心地いい

何故か私の部室はこれでもかというほどにクーラーが効いている

完全に冷えきった私の体を温めるように、生温い風が吹いた

 

どうでもいいことと、ほんの少しの大切なこと

これがしたいとか、あれが欲しいとか

唯一無二の自分でいたいってこと

自分でも痛いくらい分かってる

 

「今日仲良い子が忙しいみたいだから一緒にご飯食べよ」

「今日いつも一緒に帰ってる子いないから一緒に帰ろ」

 

もう聞き飽きた、聞き飽きた

 

「なんか今日は一人で帰ろっかな」

 

秋の生温い風が気持ち悪い

いつもと変わらない景色を眺める

耳から流し込んだ音楽はバスの進行方向と逆に進んでいた